ウレタンのことがよくわかるウレタンフォームQ&A

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軟質ウレタンフォームとは(原料、性状、製造法、特長、用途など)

軟質ウレタンフォームとはどのようなものを言うのですか?
ウレタンフォーム(慣用的にはポリウレタンフォームのポリを省略して呼びます)は、ポリオールとポリイソシアネートとを主成分として、発泡剤、整泡剤、触媒、着色剤などを混合し樹脂化させながら発泡させたもので、気泡が連通し柔らかくて復元性のあるものを「軟質ウレタンフォーム」と言います。 自動車座席用クッションやマットレスなどのように、一般に発泡倍率が約60〜10倍、見かけ密度は16〜100kg/m3 程度の軽いプラスチック発泡体です。
このほか、ウレタンフォームには主に断熱材に使用される独立気泡で硬くて復元性が無い「硬質ウレタンフォーム」と中間的な性状で主に衝撃吸収材用に向けられる「半硬質ウレタンフォーム」があります。

軟質ウレタンフォームは、どのようなところに使われていますか?
軟質ウレタンフォームの用途は下記のようなものです。
分 類 用 途 例



車両四輪 自動車・建築機械・鉄道車両等の座席用クッション、カバー生地ラミネート裏打ち材、ドアトリム・センタピラガーニッシュ等緩衝材、シーリング材、床天井等吸音・制振材
二輪 サドル、エアフィルタ、オイルフィルタ、ヘルメット内張り、ライダークッション
機器 各種吸音材、空調用フィルタ、液密・気密シール材、防音フローリング材
家具 椅子、座イス、ソファー、置きクッション
寝具 マットレス、掛け及び敷き布団、まくら、ベッドパッド
インテリア 座布団、各種クッション、カーペット・マット類裏打ち、コタツ敷・掛け
包装 精密機器、食品・果物梱包材、鮮魚トレー敷き
日用雑貨 キッチンフォーム材、ボディーソープ用フォーム材、靴磨フォーム材、洗車用フォーム材、オムツ用サイドギャザ−、靴(表皮材裏打ち、中敷き、インナブーツ)、スリッパ芯、縫いぐるみ等詰め物、化粧用パフ
衣料用 肩・ブラジャー等のパッド、防寒材ライナー
その他 育苗用・園芸用土壌、水耕栽培用資材、フェンス衝撃吸収壁、運動用着地マット、マネキンボデイー、船舶椅子用クッション、遊具ボール、音響効果室吸音材、車椅子用クッション、保温・断熱材


車両
その他
インストルメントパネル、アームレスト、ヘッドレスト、サンバイザ、ハンドル航空機用クッション・バック

ポリエーテルフォームとポリエステルフォームとはどんな違いがあるのですか?
軟質ウレタンフォームは使用するポリオールの種類により、「ポリエーテルフォーム」と「ポリエステルフォーム」とに分けられます。一般には「ポリエーテルフォーム」は多岐にわたる原料ブレンドが可能なので弾性率やクッション性など用途に合わせた幅広い性能を付与できます。この為、マットレス・椅子などのクッション用途をはじめ極めて多くの用途に使用されます。 「ポリエステルフォーム」は耐油・耐摩耗性、機械的強度に優れ、気泡の径を容易に変えられるのでフォーム材やフィルター材などの特殊用途に使用されます。

工場では軟質ウレタンフォームはどのような方法で製造するのですか?
製造工場では「スラブ」又は「モールド」品の形で製造します。
「スラブ」品は、連続コンベアー上に混合原液を流し、通常、幅1〜2m、高さ0.3〜1mの断面が角又はカマボコ状に連続発泡させた後、所定長さ(多くは1〜2m)の大形食パン形状に裁断するものです。加工事業所にはこの形で出荷され、スラブ品からは色々な形状の製品を切り出し・加工する事が出来ます。
「モールド」品はプラスチック又は金属製の型(モールド)に原液を注入して発泡させた後、型から取り出すもので、複雑な形状の製品でも寸法精度良く大量に成形する事が出来ます。

軟質ウレタンフォームにはどのような特長がありますか?
要求に応じて、適切な性状、物性性能が広い範囲で発揮できます。
ポリオール類、ポリイソシアネート類、発泡剤、整泡剤、着色剤、その他配合剤の組み合わせ、混合割合、製造条件等を選択する事により、いろいろの用途に必要な性能が提供できます。
すなわち、軽くて、クッション性能、耐久性能、衝撃吸収性、断熱性、耐熱性、耐薬品性、吸音性が良く、着色自由度が広い等の特長が発揮されます。
クッション用途を例にとると金属スプリングや綿・フェルトに比べ、軽くても高弾性でヘタリの少ない優れた「クッション性能」を発揮し、取り扱いが易しいという特長があります。さらに、ウレタンフォームを自動車座席に使用することで、軽量化による地球温暖化抑制にも寄与します。
最近では健康指向に応じて抗菌性や低反発弾性などの特徴ある性能も付与されています。
色々な形状の裁断、成形加工が出来ます。
軟質ウレタンフォームは直線や凹凸、局面裁断、くり貫き加工等が容易にでき、薄いシート状から定形品まで所定形状に自在に加工できます。又、熱プレスによる成形も可能です。
自動車用シートの様に自由なデザインと寸法精度、大量生産が必要な場合には、型内で発泡させる「モールド品」も選択できます。
用途に応じて色々な接着・一体加工方法が選択できます。
フォーム同士の他、金属類、布、レザー等との縫製や接着剤などによる一体化が容易にできます。フォーム表面部を瞬間的に火炎にさらして熔かし、ポリウレタンによる接着剤層を形成させて貼りあわせる「フレームラミネート加工」は風合いがよく、生産性を改良できます。

以上の様に軟質ウレタンフォームは他のプラスチックフォームや同類用途の繊維材(綿・フェルト類)、スプリング等に比べて大きな特長が発揮できるので、自動車をはじめ家庭日用品から産業資材、建築資材迄 様々な用途に使用されており、現在も品質改良と用途拡大が続けられています。